パイオニア2015
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172015出身者が語る◎物性物理科学コースMaterialsPhysics高校2年の夏、志望大学・学部を探していた薄井智靖さんは、基礎工学部の物性物理科学コースが開催した体験入学に参加。 身近にある物質の性質を解明する分野があると知り、それまであまり興味を持っていなかった物理学に、一気に面白みを感じた。オリジナリティーを大切にする薄井さんにとって、基礎工学部が国公立大学で唯一大阪大学にある点も気に入っていた。陸上部と学業を両立する充実の日々 基礎工学部の電子物理科学科に入学し、2年次のコース選びではエレクトロニクスコースと物性物理科学コースで迷った。しかし、最初に共感した「身近な物質の性質を調べる」ことが決め手となり、後者を選んだ。 3年次の「物性演習」は、自らの手で計算をして問題を解き続けるという、楽ではない科目だ。薄井さんは「それほど大変ではなかった」と笑うが、実は学部4年間を通して陸上部に所属しており、非常に多忙な学生生活を送っていた。「練習のため、毎日のように豊中キャンパスと吹田キャンパスを往復していました。忙しかったですが、充実していましたね」。 4年次になり、特殊な物質の開発や、その物性の起源を探る測定をする木村研究室に入った。卒業研究では、理論家が発表した酸化銅の単結晶の電気磁気効果を高める方法を、実験して確認することに取り組んだ。 修士課程ではカイラリティーを研究。カイラリティーとは、例えば物理的、化学的には同じ物質でも、構造が違う状態を指す。薄井さんは、物質のらせん構造の右巻きと左巻きとの違いを対象にした。ある物質を作るときにらせんの向きを制御できれば、磁性や電気分極の方向を制御できる。 木村教授は学生時代の薄井さんの長所を振り返る。「研究テーマは私が示したわけではなく、自分で試料を見つけてきて設定していました。オリジナルを追究することは研究者として非常に大事なことです」。 このコースの魅力についても木村教授は教えてくれた。「産業に近いところから、もっと基礎的なところまで、幅広い研究がそろっています。自由な発想で新しい物質を見つけることに挑戦したい方に向いているでしょう」。木村 剛(きむら・つよし)教授[左]基礎工学部・電子物理科学科・物性物理科学コース教授薄井智靖(うすい・ともやす)さん[右]物性物理科学コース出身/物質創成専攻・物性物理工学領域・博士前期課程修了株式会社村田製作所①X線回折装置で物質の微細な構造を解析する②物質の磁気特性を測る磁化測定装置③薄井さんが研究で使っていた試料Department of Electronics and Materials Physics

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