パイオニア2015
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312015Intelligent SystemsScience佐藤宏介(さとう・こうすけ)教授[左]基礎工学部・システム科学科・知能システム学コース教授長瀬百代(ながせ・ももよ)さん[右]現・知能システム学コース出身/基礎工学研究科・システム創成専攻・システム科学領域・博士前期課程修了三菱電機株式会社・情報技術総合研究所Department of Systems Science出身者が語る◎知能システム学コース③サーモグラフィで撮影した物体の温度情報をプロジェクタから位置合わせして投影することで、通常は人間の目に見えない、温度の情報を可視化する②手のひらを利用した「どこでもリモコン」。ボタンに見立てた指を押すことで操作する機能を実現した。操作に応じてリモコン画面がプロジェクタから表示される①長瀬さんが研究していた映像投影技術を応用し、本棚に触れるとその上に収納されている本の表紙が投影されて見ることができるシステム「数学と物理が好きだったので、幅広く学べそうな基礎工学部システム科学科を選びました。結果として、考えてもいなかった生物学へとつながります」と語るのは、生物は苦手だったという土井隆弘さんだ。土井さんが生物工学の面白さに触れたのは、1年次の分子生物学の授業で脳の機能に面白さを見つけたときだ。 2年次以降は、生態学、細胞生物学など、「生物」を対象とした学問を学ぶ一方で、数学や物理の必修科目が多い。「脳科学の研究室に入って神経細胞の働きを調べるとき、統計学が非常に役立ちました。より深い研究になっても、ひと通り学んであるのですんなりと頭に入ってきます」。生物のあらゆる機能が研究対象 土井さんは「4年次だけでは物足りない」と思い、研究室配属となった生命機能研究科の藤田研究室に進学した。この研究室では視覚、知覚、意識といった高度脳機能のメカニズムを研究している。研究内容は、いわゆる生物工学の枠を超え、脳科学としてもあらゆる領域を網羅している。 藤田一郎教授は言う。「脳科学といっても機能、構造、発生と、それぞれ異なる分野として確立していますが、一つの研究室内でそれらすべてを研究対象としています。幅広く学ぶのは大変でしょうが、自分の可能性が確実に広がるはずです」。ブロック玩具でいろいろなモノを作るのが好きだった宇野かんなさん。将来も「ものづくり」がしたいと思っていたが、進学する大学を探していたときに基礎工学部のパンフレットを見たところ、自分が使っていたものと同じブロック玩具を用いた授業があることを知り、志望校を一気に絞った。 そしてその授業をしていたのが、現在所属している宮崎文夫教授の研究室。ここでは「ヒトの理解によるロボットの能力拡大」「ヒトとロボットの一体化」「ヒトとロボットの協調・競合」をテーマに研究を進めている。「ヒトが運動するときの筋肉の働きを、ロボットを使って理論的に明らかにする研究をしています」(宇野さん)。機械は一人ではつくれない 学部時代に特に大事だと思ったのは「一緒に勉強できる仲間」だという。「分からないことは仲間で知恵を出し合って解決することが、多くありました。自分が分かったときに仲間に教えてあげることからも学びがありましたね」。そうして学びを深めていった宇野さんは、厳しい成績要件を満たし、3年次を終えた後に大学院に進学する「飛び級制度(P4参照)」を利用した。 和田成生教授も言う。「単にモノがつくれればよいわけではなく、その過程や仕組みを考える力を養ってもらいます。どんな分野にも応用がきく力が付きますよ」。

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