物質創成専攻
物質創成専攻では、人類の未来を拓くために、新しい物質の創出をはじめ物質の優れた性質の発現、さらにそうした物質の生産手法に関し、物理と化学を基礎とした理論および実験の総合的な研究活動を実施している。また研究を通じて新しい機能発現や未来物質の開発に挑戦できる人材の育成を目指した教育を実践している。本専攻は物性物理工学領域、機能物質化学領域、化学工学領域、未来物質領域の4領域で構成され、領域間相互の積極的な研究・教育交流を通じて新たなフロンティアを創出する基礎工学の開拓に邁進している。
領域の概要説明
物性物理工学領域
本領域では物性物理工学が実験・理論の両面において世界の先端を行くレベルで深く掘り下げられています。先端デバイスに利用される材料物質の基礎研究とともに物理学の発展に大事な役割を果たす新規の物質や現象の研究がなされています。バルク・表面・分子・ナノスケール物質・メゾスコピック系などで、多くの物質におけるミクロな相互作用機構の解明が行われています。それには新しい理論的方法とモデル、放射光分光、超高圧などの先端的実験手法が用いられています。また、これらの結果は新しい人工物質の創製にも反映されます。この領域の特徴は、新物質の作製、実験装置・手法の開発から、未知の現象を解明し実験を先導する理論の構築まで、幅広い研究が行われるところにあり、それが新しい人材を育てる教育にも反映されています。
機能物質化学領域
新しい機能や優れた性質をもつ物質を創り出す機能物質化学は、化学産業のみならず、情報、エレクトロニクス、医療をはじめとするあらゆる産業分野の発展の物質的基盤を支え、環境問題、エネルギー資源の枯渇など21世紀の人類社会が直面する諸問題の解決を担う基幹的学術分野として、その役割は益々重要になっています。機能物質化学領域では、従来からの「合成化学」講座とともに、物性化学に加えて生体化学を視野に入れた「機能化学」講座を設置し、太陽エネルギー化学研究センターの協力講座とも連携しつつ、新規かつ特異な構造の分子系、分子組織系、表面・界面系の創製と、それによる新規物性・高次(インテリジェント)
機能の開拓を目指しています。また、これらの研究成果を踏まえて、基礎を重視した教育を行い、化学を必要とする幅広い分野で活躍できる人材育成を行っています。
化学工学領域
化学工学領域では、物質の合成、物質の分離、エネルギーの変換・貯蔵に関わる化学プロセスの現象解明やそれらの変換を高効率で行う機能性物質の設計・開発に関する基礎研究だけでなく、これらの基礎研究を発展させた新規生産プロセスの開発、さらには地球レベルでのエネルギー・環境問題の解決を目指した応用研究も行っています。研究の遂行にあたっては、化学、生化学、物理、数学ならびにナノ・テクノロジー、バイオ・テクノロジー、コンピュータ・サイエンス、量子科学に関する最新情報も取り入れ、さらに得られた研究成果を体系的に統合して、循環型持続性社会を構築するための知識・方法論へと展開しています。基礎工学研究科の「環境・エネルギー研究会」や21世紀COE研究教育拠点形成プログラム「自然共生化学の創成」の中核として、太陽エネルギー研究センターとも密接に連携し、次代を担う研究者やケミカルエンジニアを育成するための高度な研究・教育活動を精力的に行っています。
未来物質領域
21世紀の基盤科学技術創造のためには、物理と化学の学際領域を融合した未来物質の創製と物性探索研究が不可欠です。特にナノマテリアルの世界はまさに物理と化学の学際領域と言えます。本領域では、優れた理論的・実験的枠組みをもつ物性物理学と分子化学の基礎に立脚して、物質中で電子と光が織りなす多様な物性の解明と新現象探索、新物質創製を行いながら、物質科学とその応用のフロンティアーを切り開くことのできる幅広い視野を持った研究者、技術者を育成する教育研究活動を行っています。




