基礎工学部創設の理念

基礎工学部創設の理念

基礎科学の新しい発見や発展が、技術や工学に新たな領域を生み出し産業を興します。例えば、コンピュータの高速化は半導体物性の基礎研究に深く関わり、最近話題を集めているリニアモーターカーは超伝導の理論の発展に支えられています。また逆に、技術や工学の進歩が基礎科学の発展の原動力となります。技術の粋を集めた最新の設備により、いままで見えなかったところが観測できるようになったり解析できるようになったりします。

このように、工学・技術と理学・基礎科学は、一方の発展が他方の発展を促し、お互いに影響しあって進展しています。従って、工学・理学の分野では、基礎科学の素養を十分に積み、新しい技術開発にも積極的に参加できるような柔軟性と創造性を持つ科学技術者が求められています。

大阪大学の元総長であり、また初代の基礎工学部長を務められた正田建次郎博士は、昭和36年の基礎工学部創設にあたって、基礎工学部のめざすところを、

 

基礎工学部創設の理念

「科学と技術の融合による科学技術の根本的な開発それにより人類の真の文化を創造する学部」

 

と述べられました。当時は日本の高度成長がはじまる頃であり、どちらかと言えば、技術だけが重視されていました。基礎工学部は創設されてからすでに50年以上になりますが、この基礎工学部創設の理念は近年ますます重要視されています。

 

基礎工学部は創設当初から、このような指導的科学者・技術者を養成して、科学と技術の融合を図ることを大目標に掲げています。従って、教育・研究は、理学部と工学部の中間に位置すると言うことができます。基礎工学部では、真理を追及する自然科学と生活を豊かにする技術とをバランスよく学び、科学者でかつ技術者たる両方の資質を身に付けてもらうよう教育を行います。