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2017/10/31

光を操るナノ、ナノを操る光

- 光とナノ物質の相互作用「設計」から新しい光機能創出へ -

教授 石原 一   助教 横山 知大

光と物質の相互作用は、物理、化学をはじめとする様々な研究分野で中心的な課題とされてきました。特に、ナノメートル(10億分の1メートル)程度のサイズを持つ物質は、通常のマクロなサイズの物質とは異なり、そのサイズや形ごとに「異なる性質を持つ物質」となります。このため、光と物質の相互作用が「設計」でき、これまで知られなかった多様な光学的機能を実現するものとして注目されています。本研究グループでは、光と物質の相互作用を設計することで、ナノ物質によって光の運動を操り、また光でナノ物質の運動を操る、新しいナノ光科学、ナノ光技術を追求しています。最近では、光によってナノ物質を力学的に操作することにより、様々な人工秩序を創成することも重要な研究目標になっています。以下は最近の研究例です。

1)ナノ物質に閉じ込められた電子の波と光の波を巧みにインタープレイさせることで、特定の試料サイズで実現する「巨大な光スイッチ効果」や、励起の熱緩和に打ち勝つ「超高速な光放射現象」を理論・実験の両面から明らかにしてきました。光電場をナノ領域に閉じ込め、通常は光を吸収しない物質に光を吸収させることにも成功しています。

2)様々な形の「同期現象」を自在にデザインできる理論的手法を開発しました。これによる解析を誘電体球表面に分散した蛍光分子による発光現象に適用し、同期による大幅な発光増強を確認しました。高効率発光素子設計の新たな指針に結びつくと期待されます。

3)光が持つ運動量を利用して微小粒子をレーザーで捕捉し、また運動させることが可能です。この技術をナノ物質に応用することは困難と考えられてきましたが、本グループではナノ物質に閉じ込められた電子に光を作用させることで、ナノ物質の個性に応じた選択的な光操作が可能であることを実証してきました。


石原研究室HP