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数理ファイナンス

より一歩進んだ金融市場の解析へ向けて
ファイナンス数理モデル研究グループ:教授・関根順、助教・永幡幸生

2010年10月01日

 我々ファイナンス数理モデル研究グループのテーマは、広く言うと数理モデルを用いた自然・社会現象の解析ということになりますが、関根(テーマ:数理・確率ファイナンス)と永幡(テーマ:統計物理に関連する確率論)が独自の課題を持って研究に取り組んでいます。また、学生の教育・研究指導や、研究者・大学院生を対象にしたセミナーやワークショップなどの開催は、我々のみならず、数理計量ファイナンス講座の他の研究グループや金融保険教育研究センターとも連携をとって行っています。
 今回は関根の研究テーマである数理ファイナンスについて、概要や現状を簡単に紹介します。
 数理ファイナンスは、金融市場の数理モデルを構成してその解析を通して得た成果を、実際の金融市場に応用・フィードバックしようと試みている研究分野です。この分野の学術的な成果は、1980年代からの情報・計算機技術の飛躍的な発展と共に、金融実務の現場に次々に還元され、デリバティブ(金融派生商品)の爆発的な普及にも大きく寄与することとなりました。
 現在では沢山の数理科学研究者がこの分野に参入し、極めて高度な理論・技術が応用されています。確率微分方程式などの確率解析学は言うに及ばず、確率制御理論、偏微分方程式の粘性解理論、マリアバン解析と呼ばれる無限次元解析学などが例として挙げられます。
 また、金融機関の中でこの分野を担っている専門家はクオンツ(Quantitative Analystの略)と呼ばれています。クオンツは、数理的手法に基づいて、新しい金融商品・運用手法・リスク管理手法などの開発・解析を行います。
 さて、近年の世界的金融危機後、あらためて数理ファイナンスの価値が問われているように思います。金融危機以前から、専門家間では把握されていた課題・問題も数多いのですが、一方で、金融危機を通じて、現在の理論の限界やその限界を超えて理論を悪用することの危険性を突きつけられました。金融実務、経済学、数理科学など分野を超えた研究者の真剣な交流や共同作業が、以前にも増して重要となってきているのが今日の現状と考えます。
 最後に関根研で行われている数理ファイナンスに関する研究トピックスをいくつか列挙しておきます:
i) リスク鋭感的ポートフォリオ最適化
ii) 大偏差制御
iii) 動的ポートフォリオインシュランスの改良・応用
iv) 確率的相関ファクターモデル
v) 情報(フィルタリング)-ベースの資産価格モデル

長井・関根研究室ウェブページ

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