システム科学科

学科長 乾口 雅弘

システム科学科では、人間を含むシステムを対象に、人間と技術の調和のとれた共生を目指した教育と研究を行っています。システムとは、航空機、自動車、化学プラントなどのように数多くの機械や電子部品で構成され、構成要素間の有機的な連携によって高度な機能をもたらすものをいいます。システムにはそれ等を運転したり、利用したりする人間や、人間のつくる社会の経済活動も含まれます。システム科学科(定員約170名)の学生は、2年次に機械科学コース、知能システム学コース、生物工学コースの3つのコースに配属されます。これらの3コースの基幹となる学問分野はそれぞれ独自の背景を持って発展してきましたが、「システム」という観点から考えると多くの共通したあるいは互いに関連した研究領域を有しています。2年次からは、数学、統計、システム工学、および情報処理技術を共通の基盤とし、各コースの専門教育を受けることになります。こうして、3コースの接点である「人間を含むシステム」を中心として学際的に協力し、斬新な発想を具体化しつつ将来に向けた新分野を開拓しています。そして、新しい視点と柔軟な適応性を持ち21世紀の科学技術文明を背負える研究者、技術者の育成を目指しています。システム科学科の卒業生の多くが、基礎工学研究科ならびに生命機能研究科の大学院に進学しています。生物工学コースの教員の一部は生命機能研究科に所属していますが、生物工学コースの教育はこれらの教員も含めて行われています。

機械科学コース

機械科学コースでの教育がカバーする領域は多岐にわたり、質点・剛体力学に始まり固体力学、流体力学、熱力学、機械力学、音響学、生産・加工学、システム・制御工学、計測工学、ロボティックスや人間工学にも及びます。これらの学問領域は新素材や宇宙開発、メカトロニクス、コンピュータ支援工学、バイオエンジニアリング等の最先端分野を拓き、環境・エネルギー問題を解決するために必要な情報や技術を提供します。卒業後大多数は大学院に進学しますが、最終的な就職先としては重工業、電機、自動車、金属、エネルギ関連、化学の他に、情報処理、通信、コンピュータ、医用機器、航空宇宙、金融、商社、社会サービスなど、あらゆる産業分野が含まれます。本コースの教育は主として機能創成専攻の3領域(非線形力学領域、機能デザイン領域、生体工学領域)の教員が担当します。

主任 杉山 和靖
事務室名 A345
電話番号 06-6850-6210
Website http://www.me.es.osaka-u.ac.jp/msc/

知能システム学コース

現在、人は様々なシステムと共同して生活しています。例えば、自動車やロボット、人工衛星、インターネットなどです。このようなシステムは、多くの要素が組み合わさってできたもので複雑系と呼ぶことができます。例えば、人間と協力して作業するロボットを実現するには、周囲の環境を把握するセンサーや画像処理、コンピュータで自律的に判断を行う知的情報処理、そしてロボットを動かすためのモーターやその制御など、さまざまな技術要素を一つのシステムとして有機的に統合する必要があります。さらに、ロボットの社会的影響や人間に与える心理的影響など、従来の工学では扱われてこなかった問題や、従来人文系と見なされてきた問題も考えなければなりません。技術と社会の高度化・複雑化にともない、一つの技術要素だけで便利なものや快適な環境を作り出すのが難しくなっており、システムという考え方の重要性は増しています。知能システム学コースでは、さまざまなシステムに共通する一般的原理とシステムを構築する方法について教育・研究を行っています。

主任 長井 隆行
事務室名 D432
電話番号 06-6850-6385
Website http://www.sys.es.osaka-u.ac.jp/sch/jp/

生物工学コース

生物工学コースでは、脳科学、生物物理学、生化学、細胞生物学、遺伝子工学、物理学、数学、コンピュータ科学、情報・システム工学などの幅広い知識と技術を総合して、生物機能を対象とした理学、工学、脳科学の境界領域を開拓し、生物のもつさまざまなしくみの解明とその応用をめざすことのできる人材の育成を教育の目標としています。本コースのカリキュラムでは必修科目を最小限とし、学生が各自の目標にあわせてカリキュラムを組み立て、適性を伸ばすことを奨励しています。学部卒業生の8割近くが大学院前期課程に進学し、約2割が電気・機械産業、システム・情報産業、製薬・食品産業などの会社に就職します。

主任 西本 伸志
事務室名 J312
電話番号 06-6850-6556
Website http://www.bpe.es.osaka-u.ac.jp/